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羊毛フェルトと著作権の境界線

「羊毛フェルトと著作権の境界線」というタイトルのアイキャッチ画像 販売

ハンドメイド作品やイラスト、羊毛フェルトなど、ものづくりをしていると「これ著作権的に売ってもいいの?」「どこまでSNSに投稿していいの?」「プレゼント企画したいけど著作権とかわからない…」など、不安になることはありませんか。

この記事では、著作権についての基本的な考え方と、やっていいこと・やってはいけないことの具体例を、紹介します。

(あくまでユーザー視点の一般的な内容となります。もし誤りがあれば、ご指摘いただけると幸いです。)

この記事のポイント
  • 製作者の許可がない限り、著作物や二次創作物を売ったり配ったりする行為は基本的にNG
  • 完全オリジナル作品であれば、自由に頒布できる。
  • イラストよりも立体作品(羊毛フェルトなど)のほうが厳しい

みんながやってるから自分も大丈夫ではないよ!

そもそも「著作物」とは?

著作物とは、

「思想又は感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するもの」です。

…。

と言われても正直よく分かりませんね。ハンドメイド界隈で言うと、ポケモン、アンパンマン、ディズニー、ジブリ、SNS上の他の人が創作したキャラクターなどは、全て著作物にあたります。

これらの著作物を、著作権者の許可なく使用して作品を作り、販売したりプレゼントしたりすると、著作権侵害になる可能性があります。

一方で、まだ形になっていないアイデアや、誰でも思いつくようなありふれた模様・デザイン・普通の動物などは、著作物とは認められません。そのため、著作権侵害にはなりません。

頒布していい作品・できない作品

頒布(はんぷ):不特定多数に物を配ったり、販売したりする行為。SNSを使った作品プレゼント企画も含む。

頒布していい作品

  • 自分が創作したオリジナルキャラクターを使った作品
    ⇒ 著作権は自分にあるからOK
  • 商用利用可能と明記されているフリー素材を使った作品
    ⇒ ガイドラインの範囲内であればOK
  • 公式が二次創作可能と明言しているジャンルの作品
    ⇒ ガイドラインの範囲内であればOK
  • 当日版権制度があるイベント(ワンフェスなど)で、許諾を得た立体作品
    ⇒ 事前に申請し、許可を得ていればOK

二次創作:すでにある創作物をもとにして、原作者または公式以外の人が新しく作った作品のこと

頒布できない作品

  • アニメや漫画に登場するキャラクターを使った作品
    ⇒ 著作権・商標権侵害の可能性
  • 他人が描いたイラストやキャラクターを使った作品
    ⇒ 著作権侵害
  • 実在の人物をモチーフにした作品
    ⇒ 肖像権・パブリシティ権の侵害の可能性
  • AIで作成した既存キャラ風の作品
    ⇒ 著作権・商標権侵害の可能性
  • 市販の羊毛フェルトキットで作った完成品の頒布
    ⇒ 著作権・商標権侵害の可能性

簡単にまとめると

自分が創作した完全オリジナル作品は何をしても自由!

・他人の著作物を真似して頒布する行為は、基本的に著作権侵害(ただしガイドラインがあれば、その範囲内でOK)

コミックマーケットなどで頒布してるけどどうなの?

二次創作は本来であれば著作権侵害にあたります、著作権侵害は親告罪なので、著作権者(作者)が訴えない限り罪に問われません。

コミックマーケットなどでファン活動が活発になることで、原作への注目度や人気が高まり、結果的に公式側にもメリットが生まれます。また、利益追求ではなく、ファンとの交流や原作の振興を目的としているため、悪質とみなされることはありません。

そのため、多くの場合は「黙認」されています。

ただしこれは「許可」ではありません。
利益目的の商業利用やガイドライン違反など、悪質と判断された場合には、厳しい対応が取られることがあります。

羊毛で作った二次創作作品は頒布してもいい?

「じゃあ利益目的でなければ羊毛フェルトで作った二次創作の立体作品は頒布してもいいんだ!」とはなりません。たとえ利益目的でなくても、”立体物”は頒布できません。
*当日版権制度のあるイベントで、正式な許諾を得た場合を除きます。

イラストとは違い、立体作品は黙認されません

この理由は、①著作権の他に”商標権の侵害”に接触する可能性が高いから、②営利目的とみなされやすいから、と言われています。実際、立体物の頒布に対しては、公式が厳しく取り締まっています。

商標権商品名、ロゴ、マークなどのブランドを使用できる権利。例えば、勝手に「アンパンマンの羊毛フェルト作品」、「ポケモン風ぬいぐるみ」と称して作品を販売すると、意図が無くても商品とみなされ、商標権侵害になる可能性がある。

もし、羊毛フェルト作品のような立体物を頒布したい場合は、完全オリジナルや、著作権がない動物などを使うか、著作者に許可を得る必要があります。「バレなければ大丈夫!」「こっそりやればOK!」ではありません。

また、勘違いされやすいですが、SNS上で、著作物の立体作品を交換・プレゼントする行為も、著作権や商標権の侵害になります。

問題にならない例・なりやすい例

著作権の話はどうしても小難しくなりがちなので、ここではよくある例を挙げて整理します。

なお、以下はあくまで一部の例です。ここに書かれていない行為が、必ずしもOKというわけではありません。

原則として問題にならない例

  • イベントやSNSで、完全オリジナル作品を頒布・公開する(イラストや羊毛フェルト作品などの立体物を含む)
  • 公式ガイドラインの範囲内で、著作権のあるキャラクターのイラストを制作し、SNSに投稿する(立体作品についてはガイドラインを要確認)
  • 著作権のあるキャラクターのイラストや立体作品を制作し、SNSなどに公開せず、個人で楽しむ
  • 当日版権制度のあるイベントにおいて、正式な許諾を得た立体作品を頒布する

公式や作者から”黙認”されていることが多い例

  • 原作のブランドイメージを大きく損なわない範囲で、著作物のイラストを制作し、イベントで頒布・SNSに投稿する
  • 原作のブランドイメージを大きく損なわない範囲で、著作権のあるキャラクターの立体作品を制作し、SNSに投稿する(ガイドラインがあればを要確認)

※黙認は「許可」ではなく、状況次第でNGになる可能性があります。

やってはいけない例

  • 著作物のブランドイメージを著しく損なう表現の作品を頒布する
  • 著作物を用いた立体作品を、SNSなどを通じて不特定多数に頒布する(プレゼント企画がこれに含まれる)
  • 利益目的で、著作権のあるキャラクターを使用した作品やサービスを販売する

余談

「コミックマーケットでみんなが頒布しているなら、公式がきちんと許可すればいいのでは?」
という意見を、時々見かけます。

しかし実際には、公式が安易に許可を出してしまうと、結果的に公式もファンも損をしてしまう可能性が高いのです。

理由はいくつかありますが、その一つがブランドイメージの毀損です。

二次創作作品の中には、性的・暴力的な表現や、キャラクターの性格・設定を大きく逸脱した内容を含むものも少なくありません。こうした作品が「公式に許可されている」と受け取られてしまうと、

「このブランドは、そうした表現も公式として認めているのだ」

などと思われてしまう恐れがあります。

その結果、作品全体の世界観がブレてしまったり、ファミリー層や一般層からの信頼を失ってしまったりする可能性があります。

何年、何十年にもわたって愛され続けているコンテンツの多くは、公式が一貫してブランドイメージを守り続けてきたからこそ、今も多くの人に支持されているのです。

おわりに

「みんながやっているから…」「どうして自分だけ…」の言い訳は通りません。ルールを守って楽しく活動しましょう!

今回は以上です。良い羊毛ライフを!

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